視察報告(岩手編)

2017年11月19日
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今年の8月上旬、自民党神奈川県議団の視察で岩手県を訪れました。言うまでもなく東日本大震災で甚大な被害を受けた釜石市や陸前高田市を中心に、復興状況の調査が目的でしたが、ブログにアップするタイミングを逸していたので、今更ではありますが、とても勉強になった視察でしたので改めて報告します。

初日は、盛岡市と花巻市の間にある岩手県紫波町の都市再開発事業「オガールプロジェクト」を調査。人口33,387人という小さな自治体ですが、官と民が連携して効率的な再開発が実現していました。町役場を中心に商業施設・スポーツ施設・図書館・保育園などがギュッと詰まったまさにコンパクトシティ。さらにその周辺には住宅地区とサッカーグランドなどが取り囲んでいます。急速に少子高齢化の進む神奈川県にとって、今後の街づくりの参考になりました。

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紫波町役場。近代的です。
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コンパクトな街づくりが印象的でした。

 

2日目は、まず午前中に釜石市へ向かいました。釜石といえば「鉄とラグビーの街」。ラグビー日本選手権7連覇の偉業を誇る「新日鉄釜石」の本拠地です。そんな釜石市も6年前の東日本大震災で1,000人以上の犠牲者が出ました。現在も復興途上ではありますが、その復興のシンボルとして計画されているのが、「釜石鵜住居復興スタジアム」の建設と2019ラグビーワールドカップ釜石開催です。津波で流されてしまった小学校・中学校の跡地を利用して新たなスタジアムを建設し、そこでワールドカップの試合が行われることが既に決定しています。安全確保のために水門・防潮堤整備も同時に進めれれていました。調査後、昼食会場の「宝来館」で女将さんの震災当日のリアルな被災状況や、その後の復興に向けたラグビー選手との交流のお話を伺い、思わず涙腺が緩んでしまいましたが、2019年に新スタジアムのラグビー観戦で再開の約束して釜石を後にしました。

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スタジアム建設予定地。
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宝来館の女将さんの熱弁。感動しました。

 

午後は隣接した大槌町の復興状況と、国交省が行っている津波で損壊した釜石港湾口防波堤の整備状況の調査です。特に釜石港湾口防波堤は、31年の歳月をかけて建設した世界最大水深63m(ギネスブック登録)を誇る設備でしたが、想定を超える津波の威力には耐えられずあっけなく損壊しました。現在国交省は、より強固な防波堤の整備を進めていますが、結局のところ自然の脅威は人間の英知を超えます。私たちは決して驕ることなく、自然と向き合いながら暮らしていく事が大切であると痛感しました。

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大槌町の高台にある納骨堂。
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防波堤の調査。実は船が苦手です。

 

最終日は、メディアでよく取り上げられていた「奇跡の一本松」がある陸前高田市へ。一本松もかなり遠くからですが見ましたし、津波で倒壊した「道の駅」を震災のモニュメントとして撤去せずにそのまま残してある現場も視察しました。そんな中で、一番心に残ったのが調査に同行していただいた「震災の語り部」の方から聞いたお話でした。海岸から山に登っていく途中に、昭和9年に立てられた石碑があり、そこには『ここより下に家を建てるな。津波が来たら欲捨てて逃げろ』と書いてあるそうです。同じ場所には、江戸時代に立てられた津波による犠牲者の慰霊碑もあり、地元では多くの人がその存在を知っていたとのことでした。にもかかわらず、人は繁栄と共に海側に生活拠点を広げ、今回のような大きな犠牲を払う結果になったと、語り部は言いました。

人は繁栄とともに驕り、そしていつか大きな代償を払う歴史を繰り返してきたのかもしれません。これから神奈川県民のため、より安全な街づくりを目指していく我々は、先人の知識・経験を参考にしながら、しっかりと防災対策を進めていくことを約束します!

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「奇跡の一本松」今は人工的に保存しています。
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倒壊した道の駅「タピック45」