2025年2月 活動報告
3月に入っていきなり20度を超える日があったかと思えば、また寒波が来て雪まで降りました。寒暖差が激しく体調管理が難しいですね。大船渡の山火事も大変心配されるところですが、応援のため神奈川県の消防隊員345名が岩手県に派遣されました。雨や雪のおかげで収束に向かってはいるようですが、被災地の皆さんのために頑張って欲しいと思います。
さて、2月の活動報告を始めます。神奈川県議会令和7年第1回定例会は2/12にスタートしました。本会議・常任委員会・特別委員会を経て、3月中旬には次年度予算案を審議する予算委員会が開催されます。ちなみに予算・決算の委員は隔年で回ってくるのが慣例であり、今年度自分は決算特別委員会に所属したため、予算委員会は「高みの見物」と言っては語弊がありますが、出番はないので精神的にも時間的にも余裕があります。最終的には3/25の本会議をもって第1回定例会は終了。物価高騰・人手不足・災害対策など多くの課題に苦しむ県民を支援するための大事な予算案ですから、しっかりと審議していきたいと思います。この結果は、また次月の報告までお待ちください。
今年の2月は、珍しく2/5~2/7の3日間で県外視察が開催されました。例年であれば11月頃に行われる特別委員会の県外視察ですが、昨年10月に衆議院選挙が行われたことで議会日程が変更され、本来10月開催の決算特別委員会が11月にずれ込んだ影響で、特別委員会の視察が2月開催となったのです。真冬の県外視察は過去を振り返っても記憶がなく、同僚議員らと「寒いからどうせ行くなら南の方がいいな」などと冗談交じりに話していましたが、実際に自分が所属する安全安心特別委員会の視察先は九州の大分県に決定。少し安心して当日を迎えましたが、現実はそんなに甘くありませんでした。おりしも今季最強寒波が日本海側に居座り、関東はいい天気なのに九州の福岡や大分は大雪の予報!九州でそんなことあるかなぁ…と半信半疑で空路大分へ向かいましたが、空港に着くとそこは雪と強風の極寒の世界…。もっと厚着をしてくれば良かった、と後悔したところで後の祭りとなりました。
そんな悪天候の中、初日は大分県庁を訪問し、まずは「大分県水道広域推進プラン」の説明を受けました。中でも印象的だったのは、人工衛星による漏水判定の取組でした。大分県内の水道管の漏水率は、全国平均の約1.5倍と高い状況にあり、国の「デジタル田園都市国家構想交付金」を活用し、令和5年度に導入を決めたそうです。人工衛星から送られる画像データと水道管位置情報をAI解析し、漏水が疑われるエリアを半径100mで判定するシステムは、既に愛知県豊田市などが導入しているようで、従来の漏水調査の効率を大幅に改善すると言われています。県内18の市町村が参画を決めているとのことで、これからの取組が注目されます。埼玉県八潮市の陥没事故など、こうしたインフラの老朽化などをチェックする取組は、今後行政の重要課題になってくるでしょう。ちなみに神奈川県内の口径2m以上の下水道調査結果は、現状陥没の可能性がある箇所は見つかりませんでした。
また大分県は、大分空港と中心街である大分市のアクセスが悪く、移動に時間がかかるという課題があります。その解消に向け県が取り組んでいるのが、ホーバークラフトによる海上交通です。以前は空港と主要都市を結ぶホーバークラフトが民間で運航されていましたが、リーマンショック後に運航を休止していました。現在は県が主体となって、昨年2月に大分市内に新たなターミナルを整備し、一般競争入札により事業者を公募。昨年11月より湾内周遊を開始し、令和7年度には、本格的に空港とのアクセスを開始する予定です。実は神奈川県も昨年から、江の島の湘南港を起点に海上交通「かながわシーライド」を開始しています。互いに切磋琢磨して、県民の利便性向上のため努力していければと思います。その後は県庁を後にして、ホーバーターミナル「ホボッタ」も見学させていただきました。洗練された施設に感嘆し、ホーバークラフトのデカさに驚かされました。しかし、港は風が強くとにかく寒かった!鼻水たらしながら初日の視察を終えました。
視察2日目の午前中は天気も落ち着き、少し足を延ばして臼杵市に伺い同市の防災対策について調査しました。臼杵市は大分県の東南部にあり、豊後水道に面した風光明媚でのどかな海辺の街ですが、30年以内の発生率80%と予測されている「南海トラフ地震」の危機と常に背中合わせです。いつ来るともわからない地震や津波に備え、高台への避難誘導や備蓄倉庫など防災拠点のハード対策の整備はほぼ完了しており、準備の良さを感じました。また、避難行動要支援者のため名簿を作成し、それぞれの個別避難計画を策定するなど、約6,000名と言われる要配慮者への細かい配慮が行き届いていました。もちろん人口などの行政規模により可能な取組かもしれませんが、我々が暮らす都市部においても大変参考になる取組でした。
そして午後は、九電みらいエナジー(株)の八丁原発電所を視察。海辺から山岳部への移動ですが、そのころからまた天気が怪しくなってきます。九重連山の地熱を活用している八丁原発電所は山奥に位置していますので、前日からかなりの積雪があったらしく、移動中のバスの車窓は見る見るうちに白銀の世界!横殴りの雪も降り始め、ここは本当に九州か?と我が目を疑いました。結局、発電所まで残り100mくらいのところで、とうとうバスは積雪のため坂道を登れなくなってしまいました。 バスを降りスーツと革靴で上る坂道はまあまあ危険でしたが、何とかたどり着き視察を開始します。発電所の方も「めったにない」と言っていた天候なので、何ともすごいタイミングで来てしまったようです。しかし、分散型エネルギーとしての地熱発電は注目されており、自然災害に備えた電力供給システムの強靭化の必要性は高まっています。地熱発電の仕組みを初めて知りましたが、実によく考えられたシステムで感心しました。説明すると長くなりますので割愛しますが、神奈川県にも箱根という火山があるので、大いに参考になりました。いやー、それにしても寒かった!一番印象に残ったのは、吹き付ける雪と徒歩で上る坂道だった、と感じているのは私だけではないと思います。
最終日は、大分大学の「減災・復興デザイン教育研究センター」を訪問。同センターは「調査研究」「防災教育」「復興デザイン」を3つの柱として、地域と連携しながら活動を行っています。特に大分県、大分市などと災害対策における連携協定を結んでいて、防災活動における人材育成や支援、災害調査とデータの共有等を実現しました。研究室には、過去の台風・地震など様々な災害のデータが蓄積されていて台風の進路や地震の揺れの分析も可能です。一番印象に残ったのは、阪神淡路・東日本・熊本に昨年の能登半島から、まだ起きていない南海トラフ地震まで、あらゆる国内の地震の揺れを再現できるシステムでした。実際に体験してみて、大地震の揺れを経験しあまりの激しさに言葉を失いました。こうした経験が防災意識を高めることは間違いなく、多くの人に体験してもらいたいと思います。残念ながら神奈川でこうした研究や活動を行っている大学はまだないようですが…。今後に期待したいと思います。
以上が「雪の大分、極寒視察」の大まかな内容です。天候には恵まれませんでしたが、充実した視察となりました。
視察の報告でかなり長くなってしまったので、その他の活動は駆け足で簡単に報告します。
2月にもう一回、県内の日帰り視察がありました。場所は「県立がんセンター」です。がんセンターは自分にとって3回目の視察になりますが、来るたびに施設が充実しているのが解ります。しかし、重粒子線治療を筆頭に、まだまだ広く県民の方々が利用できる状況には至っていません。今回は、ロボット支援下手術の有効性を学びました。「ダヴィンチ」システムを実際体験させていただき、予算というハードルはありますが、更なる配備が必要と感じました。
公務以外では、昨年から任命された自衛隊募集相談員の一員として、初めて「自衛隊入隊激励会」に参加しました。国民の命を守る重要な任務に自ら挑戦してくれた若者たちに感謝です。これからも応援していきたいと思います。
また、少年野球ボーイズリーグ「横浜南ボーイズ」の顧問を務めている関係で、「日本少年野球連盟神奈川支部創立50周年式典・祝賀会」に招待されました。我がままを聞いて祝辞をいただいた県教育委員会・花田教育長、三枝スポーツ担当局長には心から御礼申し上げます。ありがとうございました。そして、中学時代のクラスメートで連盟の幹部を務めている大谷正剛君、おめでとう!お互い還暦を過ぎましたが、まだまだ頑張りましょう。
そして、親友であり議会では先輩の加藤元弥県議会議員「県政報告会・新春の集い」にも参加し、激励してきました。サラリーマン時代で10年、議員になって10年。いろいろお世話になりました。これからもよろしくお願いします。
最後に、最近一番うれしい報告をします。地元南区にある県立横浜清陵高校が、21世紀枠で春の甲子園選抜野球大会に出場することが決まりました!地元に2校しかない県立高校の一つということもあり、議員になってからは卒業式や入学式にご招待いただき、今や統廃合でなくなってしまった我が母校の代わりにいつも応援している学校です。現在の佐藤部長・野原監督体制になってからチームとしてメキメキ頭角を現し、近年は県大会ベスト8も珍しくなくなった横浜清陵。5年前に野原監督が就任するときのエピソードなども当時の校長先生から伺っていたので、21世紀枠とは言え県立高校として71年振りの甲子園出場は感慨もひとしおです。そんな横浜清陵ナインが山口校長を筆頭に、佐藤部長・野原監督と共に地元の南太田と弘明寺に報告に訪れてくれました。挨拶の中で「南区の代表として」と言っていただいた瞬間は胸が熱くなりました。山本主将が言った「甲子園で1勝!」の実現を心からお祈りします。がんばれ横浜清陵!
2月の活動報告、長々お付き合いいただきありがとうございました。いつもなるべくコンパクトに報告を、と思っていますが、いざ書き出すとあれもこれもと欲張ってしまいます。短く・わかりやすくを目指し、来月も頑張りますのでよろしくお願いいたします。